今もなお色褪せないサントラの名盤『ラスト・アクション・ヒーロー』全曲紹介

『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックには、名盤『Get a Grip(ゲット・ア・グリップ)』が絶好調だった頃のエアロスミスをはじめ、AC/DC、アリス・イン・チェインズ、メガデス、クイーンズライク、デフ・レパード、アンスラックスなど夢のような豪華ラインナップが揃い、さらにその収録曲のほとんどが未発表テイクということもあり、1993年のリリース当時大きな話題を集めた。

しかもこれらの楽曲が劇中で効果的に使われていることもそれぞれのアーティストのファンにとっては嬉しいところで、今もなお映画本編とあわせて根強い人気を誇っている。

Last Action Hero:
Music from the Original Motion Picture
リリース:1993年6月8日
時間:54分19秒
レーベル:コロムビア・レコード
ビルボードチャート最高順位:7位
プラチナ認定:1993年8月24日


1. AC/DC 『Big Gun』


映画の主演俳優兼エグゼクティブ・プロデューサーであり、AC/DCのファンであるアーノルド・シュワルツェネッガーが、直接バンドに楽曲提供を依頼したことで実現した『ラスト・アクション・ヒーロー』の主題歌。冒頭からインパクト抜群のリフが冴えまくり、紛れもないAC/DCのロックンロールサウンドを炸裂させている。

この曲がリリースされた当時といえば、グランジ・オルタナティヴブームが広まっていた頃。それでもAC/DCはバンドのスタイルを貫いて見事全米メインストリーム・ロック・チャートNo.1を獲得し、大物バンドの変わらぬ人気を見せつけた。

多くのAC/DCの映像作品を手がけているデイヴィッド・マレットが『Big Gun』でもミュージックビデオの監督を担当。シュワルツェネッガー扮するジャック・スレイターがアンガス・ヤングと同じスクールボーイの衣装に変身してパフォーマンスを繰り広げる楽しいミュージックビデオに仕上がっている。

『Big Gun』ミュージックビデオ

『Big Gun』の音源は『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラック以外では、レア音源満載の豪華ボックス・セット『Backtracks』(バックトラックス:ライト兄弟は空を飛び、ヤング兄弟はリフを刻む)にも収録されている。


Backtracks
AC/DC(CD+DVD)




2. アリス・イン・チェインズ
『What The Hell Have I』


グランジ・オルタナティヴムーブメントの担い手として当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったアリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)は、『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックに『What The Hell Have I』と『A Little Bitter』の2曲を提供。

シタールを使ったフレーズが印象的な『What The Hell Have I』は映画本編のオープニングシーンに採用されている。

『What the Hell Have I』ミュージックビデオ

『What The Hell Have I』は、故レイン・ステイリー最後のシングル曲となった『Get Born Again』を含むベスト盤『Nothing Safe : Best of the Box(ナッシング・セーフ:ベスト)』(1999年)にも収録。


What The Hell Have I
アリス・イン・チェインズ(Amazon Music)




3. メガデス 『Angry Again』


メガデス(Megadeth)が、バンド最大のヒットアルバム『破滅へのカウントダウン(Countdown to Extinction)』(1992年)リリース翌年に『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックに提供したシングル曲。映画では、劇中映画『ジャック・スレイター4』のオープニングテーマとして使用されている。

シンプルに削ぎ落とされたヘヴィかつキャッチーなリフが印象的で、デイヴ・ムステインのニヒルなボーカルも文句なくカッコいい。

霧がかったセットで演奏するバンドメンバーとそこに映し出される映画のショットを組み合わせた見事なミュージックビデオは、メタリカやマイケル・ジャクソンなど多くの大物アーティストの作品でも知られる売れっ子ウェイン・アイシャムが手掛けた。

『Angry Again』ミュージックビデオ

『Angry Again』は、『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックの他、アルバム未収録のレア・トラックをまとめたEP『Hidden Treasures』や、ベストアルバム『Warheads On Foreheads』などにも収録されている。


Angry Again
メガデス(Amazon Music)




4. クイーンズライク 『Real World』


クイーンズライク(Queensrÿche)とマイケル・ケイメンのコラボレーションによる絶品のバラード。ストリングスを大胆に取り入れたこの曲は、ミュージックビデオを作らずも全米メインストリーム・ロック・チャートの3位まで上り詰めるヒットを記録した。

クイーンズライチ『Real World』

『Real World』は、クイーンズライクのベスト盤『Sign of the Times: The Best of Queensrÿche』などでも聴くことができる。


5. デフ・レパード 『Two Steps Behind』


イギリスのトップバンド、デフ・レパード(Def Leppard)による美しいコーラスとメロディが際立つアコースティックソング。全米シングルチャートで12位を獲得した。

本サウンドトラック収録の『Angry Again』も手掛けたウェイン・アイシャムによるミュージックビデオも秀逸。

『Two Steps Behind』ミュージックビデオ

『Two Steps Behind』は、未発表曲やアルバム未収録曲などをまとめたレア・トラック集『Retro Active(レトロ・アクティヴ)』(1993年)にも収録。この曲以外にも企画盤とは思えないようなクオリティの高い楽曲が収録されている。


Two Steps Behind
デフ・レパード(Amazon Music)




6. アンスラックス 『Poison My Eyes』


新ヴォーカリスト、ジョン・ブッシュの加入が功を奏した名盤『Sound of White Noise』(1993年)が全米アルバムチャート7位のヒットを記録したばかりのアンスラックス(Anthrax)が提供した未発表曲。ザクザクと刻むリフを畳み掛けるように展開するスピード感が痛快で、シングルにしてしてもおかしくないほどのクオリティに仕上がっている。

アンスラックス『Poison My Eyes』


7. エアロスミス 『Dream On』


エアロスミス(Aerosmith)のデビューアルバム『野獣生誕(Aerosmith)』に収録されているおなじみの名曲を、MTV10周年記念ライブでマイケル・ケイメン指揮による交響楽団と共演したライブ音源。

『Dream On』MTV 10th Anniversary


Dream On(Live Version)
エアロスミス(Amazon Music)


8. アリス・イン・チェインズ
『A Little Bitter』


ダウナーなメロディから激しいパートに展開するいかにもアリス・イン・チェインズらしいナンバー。バンドが勢いに乗っていた時期の楽曲だけあって、この曲もさすがに完成度が高い。

アリス・イン・チェインズ『A Little Bitter』


A Little Bitter
アリス・イン・チェインズ(Amazon Music)


9. サイプレス・ヒル
『Cock The Hammer』


ロック系のナンバーがひしめくアルバムの中で一際異彩を放つサイプレス・ヒル(Cypress Hill)によるHIP HOPナンバー。

サイプレス・ヒル『Cock The Hammer』

『Cock The Hammer』は、『ラスト・アクション・ヒーロー』のサウンドトラックのリリース直後に発表されたスタジオアルバム『Black Sunday』にも収録された。


Cock The Hammer
サイプレス・ヒル(Amazon Music)




10. フィッシュボーン 『Swim』


黒人ミクスチャー・ロック・バンド、フィッシュボーン(Fishbone)が1993年にリリースしたアルバム『Give A Monkey A Brain And He’ll Swear He’s The Center Of The Universe』からのシングル曲。ヘヴィでノイジーなギターサウンドがかなりメタル寄りな一曲。

『Swim』ミュージックビデオ


Swim
フィッシュボーン(Amazon Music)


11. テスラ 『Last Action Hero』


まるで映画本編のオープニングに流すことを想定したかのようなイントロに始まり、サビのコーラスでは恐ろしいほどにキャッチーな展開をみせるテスラ(Tesla)による映画タイトル曲。

テスラ『last action hero』


12. マイケル・ケイメン with バケットヘッド 『Jack And The Ripper』


『リーサル・ウェポン』や『ダイ・ハード』シリーズ、『X-Men』などの映画音楽で名を残し、多くのロックアーティストたちとも親交が深かったことでも知られるマイケル・ケイメンと、仮面を被る謎のギタリスト、バケットヘッドによるインストゥルメンタル。

マイケル・ケイメン with バケットヘッド『Jack And The Ripper』